Drama
3 to 6 years old
2000 to 5000 words
Japanese
モエラちゃんは、幼稚園で一番ブランコが上手な女の子。
今日も元気いっぱいに、お空に向かってブランコを漕いでいました。「もっと高く!もっと高く!」モエラちゃんの声が、お庭に響きます。
おひさまもニコニコ、お花もユラユラ、風も気持ちいい!
でも、だんだんモエラちゃんのお腹が変な感じ…。「あれ?なんだかトイレに行きたいかも…」
モエラちゃんは考えました。「でも、ブランコ楽しいし…。もうちょっとだけ、がまんしようかな」
ブランコを漕ぐのを止めると、もっとトイレに行きたくなる気がしたのです。
ぎゅっと目を瞑って、モエラちゃんはもう一度、ブランコを漕ぎ始めました。「大丈夫、大丈夫…」
でも、どんどんがまんするのが難しくなってきます。お腹の中が、まるで小さな風船みたい。
「うーん…やっぱり、行きたい…」モエラちゃんの顔が、少しだけ曇りました。
でも、もう少しだけ、あとちょっとだけ…。モエラちゃんは自分に言い聞かせました。
しかし、その時です!ブランコが一番高く上がった瞬間、モエラちゃんのお腹の中で、何かがはじけそうになりました。「あ!だめ!」
ブランコが止まり、モエラちゃんが立ち上がろうとした、その瞬間…。
「あ…」モエラちゃんの顔が真っ赤になりました。「どうしよう…全部、出ちゃいそう…」
足が震えて、動けません。モエラちゃんは、ブランコのそばで、小さくモジモジしていました。「動いたら、もっと出ちゃうかも…」
心臓がドキドキ、冷や汗が背中を伝います。「早くトイレに行かなきゃ…」
でも、動くのが怖い…。勇気を振り絞って、モエラちゃんは、ヨチヨチと歩き出しました。
少しずつ、少しずつ…こぼさないように、お腹を押さえながら、トイレを目指します。
しかし、歩けば歩くほど、がまんするのが難しくなります。チョロチョロ…と、少しずつ漏れてきてる。
ついに、トイレのドアが見えました!「あと少し!あと少し!」
ドアに手をかけた、その時!モエラちゃんの足が止まりました。
目の前にはっきりと見える床が少し濡れている…。「え…、ここでしちゃったの…?」
モエラちゃんの目に涙が浮かびます。「もう…だめだ…」
抑えようとしても、もう抑えきれません。チョロチョロ、そして…ジャーー!
勢いよく、モエラちゃんはおもらししてしまいました。
暖かいものが足をつたって、靴の中まで流れ込んできます。ズボンも、スカートも、ぐっしょり濡れてしまいました。
モエラちゃんは、悲しくて、恥ずかしくて、涙が止まりません。
先生が気づいて駆け寄ってきました。「モエラちゃん、どうしたの?」
モエラちゃんは、泣きながら、おもらししてしまったことを伝えました。
先生は優しくモエラちゃんを抱きしめました。「大丈夫よ。誰にでも、そういうことはあるわ」
先生はモエラちゃんを着替えさせて、綺麗に拭いてくれました。
モエラちゃんは、少しだけ、気持ちが楽になりました。
先生はモエラちゃんに言いました。「我慢するのは良くないわ。トイレに行きたくなったら、すぐに言ってね」
モエラちゃんは、恥ずかしそうに、でも力強く頷きました。
この日、モエラちゃんはがまんすることの辛さを知りました。
そして、トイレに行きたくなったら、すぐに先生に言うことを、心に誓いました。
次の日からモエラちゃんは、ブランコに乗る前に必ずトイレに行くようになりましたとさ。